無制限介入でどうなる?スイスフランは買われやすい?

2015年1月、多くのFXトレーダーを驚かせたのが「スイスフランショック」です。

米ドル/スイスフランはこの日何と3000pipsほどの急落を記録。

まさに文字通り、殺人的な動きをしたのがこの日のスイスフランでした。

■スイスフランの特徴は?

まず、スイスフラン自体は他通貨と比べてそこまで特徴はなく、マイナーな通貨であると言えるでしょう。

スイスは2015年1月からマイナス政策金利を導入しており、2016年10月現在では-1.25%~-0.25%に設定されています。

このためスワップポイント目的の所持には向いていないと言え、投資方法としてはスイスフランを売り高金利通貨を買うキャリートレードや、短期間でのトレードが中心となると言えるのではないでしょうか。

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また、スイスフランはリスクオフの際の通貨の避難先としても扱われることがあり、ゴールド、日本円などと同じような性質を持っていると言えます。

その理由としてはスイスのお国柄が第一の理由で、永世中立国であり戦争に関わることがまずないこと、そしてスイスの金融機関が非常に高い信頼性を持っていることが挙げられますね。

■スイス中央銀行による無期限介入とは

スイスの金融政策の中でも特筆すべきが2011年から始まった「無期限介入」でしょう。
スイス国立銀行が自国通貨安を食い止めるために行ったこの政策は、1ユーロ=1.20スイスフランを目処にスイスフラン売りを行い続ける、というものでした。

先に書いたように、スイスフランがリスクオフ・有事の際の資金の回避先となっていたという点が大きいでしょう。
この無期限介入が行われた2011年当時、ギリシャの財務問題が騒がれはじめ、ギリシャの財政破綻などのリスクを避けるためにヨーロッパの資金はスイスフランに集中。それはスイスフラン買いが行われるということであり、リスクが高まれば高まるほどその進行度合いは高まってくると言えます。

我々日本も同じですが、必要以上の自国通貨安は国の経済にとって悪影響となる恐れがあるのです。それを危惧したためにスイス国立銀行は無期限介入を行ったのですね。

これによりユーロ/スイスは投機的な動きを見せることがなくなり、 1ユーロ=1.20スイスフランというのが一つの節目となることとなりました。

この付近でスイスフラン買いを行ったとしても、当局による為替介入があるということを市場関係者が認知したためです。
逆に言えばここでスイスフラン売りをするというのは一種の安定行動、という考えを持っていたトレーダーも多かったのではないでしょうか。

■無期限介入の終了による「スイスフランショック」

この無期限介入は2015年1月、突如終わることとなります。

これまである意味で防波堤となっていたユーロとフランの関係性が崩れることとなることを予想していた人は非常に少なく、ニュース発表と同時にスイスフランは急騰。
あまりにも急なレートの変動であったためロスカット設定が追いつかず、多額の追証を負う人も国内外で発生するという事態になりました。

また、顧客の資金口座がマイナスにならない「ゼロカットシステム」を導入している海外FX業者の中には、これにより発生した損を代替わりできず破綻するところも発生。過去類を見ない衝撃的な瞬間であったと言えるでしょう。

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(※ユーロ/スイス 週足)

無期限介入が突然終了した理由のひとつに、この金融政策にも限界があった、という点が挙げられるでしょう。
ユーロ買いスイスフラン売りを続けるということには当然コストがかかります。また、ユーロ圏とスイスの金融政策のズレによる金利の違いが発生すると予測されたことも原因のひとつでした。

今後

その後ユーロ/スイスフランはやや持ち直してはいるものの、この 「スイスフランショック」は歴史に残る事件となったのではないでしょうか。

トレードをする通貨の特徴、その国の経済・政策に潜むリスクを把握しておくこと、そしてリスク管理を丁重に行っておくことが重要だと我々に再び感じさせてくれたこの衝撃は、これからFXを行っていくうえで必ず心に刻んでおきたいものですね。

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